プロジェクト1
去年の年末から夏くらいにかけて、Pulse というプロダクトの大きな機能変更を行うプロジェクトをやっていた。 久しぶりにがっつりプロダクト構造の整理をするプロジェクトだった。 最初の2ヶ月くらいは PdM・デザイナーと3人で、プロダクトの体験や構造を模索・整理して、それを UI に落とし込むことをやっていた。 この仕事をしながら、社内でこれができるエンジニアはあまりいないなと思った。自分はプロダクト領域や多職種とのコラボレーションが得意だと再認識した。
実装フェーズに入ってからのプロジェクトマネジメントは未熟だった。 UI が固まり、仕様をまとめ、実装の方針を考えてタスクの分解を行った時点で、それ以前の段階で見立てていたよりもリリースが1.5~2ヶ月延びそうなことがわかった。この時点で、ステークホルダーと話して、このスケジュールは許容できるのか、できないとしたらスコープやリソースをどう調整するのか、といったあたりのハンドリングが素早くできているとよかった。
自分の立場としてそうした振る舞いができていたらよかったと思う一方で、ビジネス出身の事業責任者や PdM との間で、プロジェクトが進むに連れてスケジュール見積もりの精度がどう変化していくかについての理解に差があるなというのを感じた。この頃にちょうど新刊として出た『人が増えても速くならない』を読んでいい本だなと思い、ビジネス出身のメンバーにも薦めて読んでもらった。
プロダクトとテクノロジーを繋ぐ領域で価値を発揮する / テックリードとして振る舞う
このプロジェクトが終わった秋くらいのタイミングで、自分の成長の方向性を考えていた。 Engineering Management Triangle というやつを知って、自分は Product と Technology をつなぐ領域で価値を発揮していくのがいいと思った。自分は Product 特化でも Technology 特化でもない。Team を作るというところにも現状そこまで熱量を持てていない。自分の観測範囲での知識だが、エンジニアの中には Technology に強い人はたくさんいるが、Product と Technology の接続領域で価値を発揮できる人はあまり多くないと思った。
また、夏くらいに『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』 を読んで、自分はチームのテックリードだと意識して振る舞うことを始めた。(なお Wantedly の開発組織には「テックリード」という名前のロールがあるが、これは組織内である技術分野をリードするロールのことで、この本で言う「テックリード」とはけっこう別物)
このあたりの話を踏まえて、以下のような価値の発揮のしかたをしていこうと思った。
- 事業責任者やPdMと連携し、顧客の課題を特定し、施策の優先度づけをする
- 技術的な側面から事業成長のために解決すべき課題を特定・提言し、チームのロードマップに盛り込む
- ビジネス的なやりたいことに対して最適な How を提示し実現する
- 開発チームによるソフトウェアデリバリーのプロセス (要件整理 / 設計 / 実装 / テスト / リリース) をリードする
- 適切な技術的負債の解消によってソフトウェアの持続性を担保する
できているものもあるし、できていないものもある。特に「技術的な側面から事業成長のために解決すべき課題を特定・提言し、チームのロードマップに盛り込む」「適切な技術的負債の解消によってソフトウェアの持続性を担保する」といったあたりの振る舞いはまだあまりできていなく、伸ばしたいところ。
2つのプロジェクトを並行してマネジメントする
プロジェクト1が終わった後、秋から PdM と2つのプロジェクトの立ち上げをやって、今はその2つのプロジェクトの開発を見ている。自分自身はあまり手を動かさずにプロジェクトのマネジメントとレビューを中心に行っている。
上で書いたような価値領域で、今の2倍価値を発揮できるとしたらどのような形になるかというのを考えて、複数のプロジェクトを同時にリードする、というのが一つの形になるだろうと思った。ちょうどそれにトライする機会になっている、というか半分はそれをやってみようと思って配置調整をした。
まだうまくはいっていない。自分がボトルネックになってしまうこともけっこう起きている。あとは片方のプロジェクトに脳みそを持っていかれて、もう片方のプロジェクトのことがおそろかになってしまうみたいなことも起きていた。2つを並行でマネジメントするのは難しいなと感じているが、最近自分の時間を何にどれくらいの割合で使うかを明確に意識するようになって、それによって解決のいとぐちを掴みつつある。これを乗り越えられたら一つ成長できそう。
日記をつけるようになった
5月頃からつけはじめて、それ以来続いている。いい習慣になった。Notion に毎月「日記 2023/12」みたいなページを作って、毎日箇条書きで書いていっている。箇条書きだと頑張らずに書けるのでいい。最初の頃は毎日書いてて、最近は忘れちゃう日もあるが、だいたい7~8割くらいの日は書いている。
日々忙しく過ごしていると、その日の出来事だったり感情だったりを整理しきれないまま次の日を迎えてしまう。 そういう日々が続いていると、自分ではコントロールできない大きな波に飲まれ、振り回されているような感覚になる。その日あったよかったことや、感じたことなどを日記に書き留めていくと、人生のコントロールをちょっと取り戻せた気持ちになる。うまくいかなかったように思う一日であっても、何か一つでもよかったなと思うことを書き留めると、まあそんなに悪くはなかったかなという気持ちになる。もやもやすることがあってもそれを書き出すと、一回気持ちがすっきりして、ちょっと冷静になって物事と向き合える。こんな感じでその日その日に一区切りをつけて、ちょっと落ち着いた気持ちで次の日を迎えられるようになった。
投資を始めた
今年の目標の一つであった投資を始めた。これまでお金に関することはちょっと毛嫌いしていて、ちゃんと考えてこなかったのだけど、30歳になったのでいい加減ちゃんとしたいなと思って、思い腰を上げて勉強を始めた。YouTube でリベ大というチャンネルの動画を見て基礎知識を学んだ。最初から本を読むのはやる気が湧かなかったので、動画で知識が得られるのはありがたかった。
NISA枠で毎月インデックス・ファンドを積み立てるようにした。株価を追って細かく売買するみたいのは性格的に向いていないので、自動で積み立てられるくらいの距離感がちょうどいい。始めたタイミングがよかったのもあって、初年度からいくらか含み益が出ていて嬉しい。今まで投資とかをしてこなかったのもあって貯金に少し余裕があるので、来年からは新NISAで投資比率を上げていく予定。
引越した。同棲を始めた
夏前に同棲しようかという話をして、8月から本格的に動き始めて、11月頭に引っ越した。場所は小田急線のちょっと奥の方。お互い在宅で仕事することがあるので、ミーティングの声が干渉しない 2LDK の間取りにした。最初は通勤しやすさを考えて、東横線や目黒線、大井町線あたりを探していたが、2LDKは物件が少なくて、いいと思うところがなかなか見つからなかった。不動産屋さんにちょっとエリア変えて小田急線のこのあたりとかどうですかと紹介してもらって、土地勘なかったけど町の雰囲気見に行ったら気に入ったので、そこに決めた。
町自体も家の周りも静かだし、家は広くてきれいで、家賃はちょっと高かったけどとても満足している。通勤は1時間強かかるようになり大変になったが、週2日くらいなら許容。通勤の時間は記事を読んだりできて、それはそれでいい時間になっている。
本格的に動き始めてからの3ヶ月くらいはやることが多くて、勉強とかがあまりできなくなるくらい忙しかった。当分は引越はいい。
同棲は楽しい。誰かと一緒に暮らすのはもうちょっとストレスも感じるかと思ったけど、意外と感じていない。家が広くて、籠もれる個室があるのも大きい気がする。あとは寝る時間や起きる時間など生活リズムが近かったのもありそう。休みの日もずっと一緒に何かして過ごすわけではなく、適度にお互い自由に過ごす時間を取るようにしている。なので自由に過ごせる時間が減ったという感覚はあまりない。近くに飲食店や惣菜屋さんが少ないので、自炊することが増えた。買い出しの量が多くて大変なので、ネットスーパーを使うようにした。Amazon みたいにポチポチ注文して翌日指定した時間に届けてくれるのでとても便利。
今年買ってよかったもの
デスク配線トレー
引越を機にデスク配線周りをきれいにしたいと思って、Melius Design メッシュケーブルトレー というやつを買った。電源タップや配線を床に置かなくて済むのと、見た目的にも死角に隠れてくれてすっきりするので気に入っている。
キーボード
キーボードは今まであんまりこだわりがなくて、Apple の Magic Keyboard を使っていたが、ある時期からなんかタイピングにストレスを感じ始めた。ものは試しとメカニカルキーボードを買ってみた。買ったのは NuPhy Air75 V2。スイッチはよくわからなかったので動画を見て一番タイピング音が好きだった Cowberry にした。
結論から言うととても気に入っている。タイピングスピードが体感1.5倍くらいになったのと、単純に打っていてコトコトと気持ちがいい。昔 HHKB を使ってみたけど、ストロークの深さに馴染めずにすぐ使わなくなった経験があったので、通常のプロファイルではなくロープロファイルにしてみた。これくらいのストロークが自分にはしっくり来るような気がする。細かくこだわりだすと沼が見えているので、今のところパーツの交換とかはせずに、買ってそのままの状態で使っている。
睡眠薬
自分は睡眠の質がパフォーマンスに大きく影響するタイプで、元々寝る前のルーティーンなどにはかなり気を使っていた。それでも毎日安定して質の高い睡眠が取れていたわけではなく、感覚的には70~80点くらいの日が多かった。1ヶ月に1回くらい頭が興奮して寝付けなくて、翌日虚無の日を過ごすことがあり、どうにかできないかなと思っていた。毎日コンスタントに90点以上の睡眠が取れるようになったら QoL がかなり上がるだろうなと思った。そういえば前に一緒に働いていた人が毎日睡眠薬を飲んで寝ていて快適と話していたのを思い出して、たまたま会った機会に話を聞いて、同じものを試してみることにした。
使っているのは「ネムレルくん」というサービスで、電話で医師の診察を受けて、続けて薬剤師からも電話で説明を受けて、あとは家に薬を配送してくれる。電話は2回目以降は「お変わりないですか」くらいで1~2分で終わる。1回で4週間分処方してくれるので、これを毎月繰り返す。市販のドリエルなんかと違って、依存性の低い薬を処方してくれるので、安心して飲める。はじめはちょっと怖いなと思っていたけど、実際依存症になっているという感じはなく、たぶんなくなっても生きてはいける。飲むと30分後くらいには眠気が襲ってきて、ベッドに入ると100%値落ちできる。
毎日「今日はちゃんと寝れるかな」とちょっと不安になるストレスから解放されたのはとても嬉しい。診察代と薬代で合わせて月5000円くらいとちょっと高いけど、日々のパフォーマンスが安定して睡眠のストレスからも解放されるならいいかと思って続けている。
DeepL Pro
Webページをレイアウトそのままに丸ごと翻訳できるのが便利。英語の記事とかドキュメントを読むのが捗る。Google 翻訳でも同じことができるけど、翻訳精度が DeepL の方がいい。年払いにすれば月1000円と料金が手頃なのも嬉しい。
今年仕事関係で読んでいた本
- DNSがよくわかる教科書
- Kubernetes 完全ガイド 第2版
- これ以上やさしく書けない プロジェクトマネジメントのトリセツ
- 入門 考える技術・書く技術
- 無理の構造
- Production Ready GraphQL
- システム設計の面接試験
- キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和02年
- 人が増えても速くならない
- エンジニアのためのマネジメントキャリアパス
- 基礎からのネットワーク&サーバー構築改訂4版
- ソフトウェア見積り
- アジャイルな見積りと計画づくり
- もしアドラーが上司だったら
- Hooked ハマるしかけ
- 「任せ方」の教科書
- 【改訂新版】良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方
- 60分でわかる! 改正個人情報保護法 超入門
- 世界一やさしい 会計の教科書 1年生